必須ミネラル16種一覧と役割|多量ミネラルと微量ミネラルの違い
体に必要なミネラルは16種類。多量ミネラルと微量ミネラルの違い、それぞれの役割・食材・不足時のサインを一覧で整理。
ミネラルと聞いて真っ先に浮かぶのはカルシウムや鉄だが、体に必要なミネラルは全部で16種類ある。それぞれが骨の形成、酸素の運搬、酵素反応の調節など、異なる役割を担っている。
ビタミンと同様、ミネラルも体内では合成できない。食事から摂るしかない栄養素であり、日本人には不足しがちなものもある。全体像を押さえておこう。

Photo: Karolina Grabowska / Unsplash
多量ミネラルと微量ミネラル
ミネラルは1日の必要量によって2グループに分けられる。
分類 | 定義 | 該当するミネラル |
|---|---|---|
多量ミネラル | 1日の必要量が100mg以上 | カルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、塩素、硫黄 |
微量ミネラル | 1日の必要量が100mg未満 | 鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、コバルト |
「微量」だからといって重要度が低いわけではない。鉄や亜鉛は不足しやすく、体調に大きく影響する。
多量ミネラル(7種)
カルシウム(Ca)
体内に最も多く存在するミネラルで、体重の約1.5〜2%を占める。その99%は骨と歯に存在し、残り1%が血液や筋肉に含まれている。
- 役割: 骨・歯の形成、筋収縮、血液凝固、神経伝達
- 推奨量: 成人男性 750〜800mg/日、成人女性 650mg/日
- 多い食材: 牛乳(200mlで227mg)、小魚、豆腐、小松菜
- 日本人の現状: 国民健康・栄養調査での平均摂取量は約500mg/日前後と、推奨量を下回り続けている。全年齢層で不足傾向にある唯一のミネラル
リン(P)
カルシウムに次いで体内に多いミネラル。骨・歯の構成成分であり、エネルギー代謝(ATP)にも関与する。
- 目安量: 成人男性 1,000mg/日、成人女性 800mg/日
- 多い食材: 肉、魚、卵、乳製品、加工食品全般
- ポイント: 加工食品にリン酸塩として広く使われているため、現代の食事では不足よりも過剰摂取が問題。リンの摂りすぎはカルシウムの吸収を妨げる
マグネシウム(Mg)
300以上の酵素反応に関与する。エネルギー代謝、たんぱく質合成、筋肉・神経機能の調節など、役割は非常に幅広い。
- 推奨量: 成人男性 340〜370mg/日、成人女性 270〜290mg/日
- 多い食材: アーモンド(100gで310mg)、ほうれん草、大豆、わかめ
- ポイント: 精製穀物(白米、白パン)中心の食事では不足しやすい。ストレスで消費量が増えるともいわれる

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ナトリウム(Na)
体液の浸透圧の維持、神経伝達、筋収縮に関わる。食塩(塩化ナトリウム)として摂取する。
- 目標量(食塩相当量): 成人男性 7.5g/日未満、成人女性 6.5g/日未満
- 日本人の現状: 平均摂取量は約10g/日と、目標量を大きく超えている。減塩が課題
- ポイント: 不足より過剰が問題。高血圧との関連が指摘されている
カリウム(K)
ナトリウムと拮抗的に働き、体内の水分バランスを調整する。ナトリウムの排出を促す作用がある。
- 目標量: 成人男性 3,000mg/日以上、成人女性 2,600mg/日以上
- 多い食材: バナナ(1本で360mg)、ほうれん草、アボカド、さつまいも
- ポイント: 野菜・果物・いも類に多い。ナトリウム過多の食事を補正するためにも十分な摂取が望ましい
塩素(Cl)
胃液(塩酸)の成分として消化を助ける。ナトリウムとともに体液の浸透圧を維持する。
- ポイント: 食塩として摂取されるため、通常の食事で不足することはほぼない
硫黄(S)
アミノ酸(メチオニン、システイン)の構成成分。髪、爪、軟骨などの材料になる。
- ポイント: たんぱく質を十分に摂っていれば不足しない。食事摂取基準に基準値は設定されていない

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微量ミネラル(9種)
鉄(Fe)
赤血球のヘモグロビンの構成成分で、全身に酸素を運ぶ。不足すると鉄欠乏性の貧血になる。
- 推奨量: 成人男性 7.5mg/日、成人女性(月経あり)10.5mg/日
- 耐容上限量: 成人男性 50mg/日、成人女性 40mg/日
- 多い食材: レバー、赤身肉、あさり、小松菜
- ポイント: 動物性食品のヘム鉄は吸収率15〜25%、植物性の非ヘム鉄は2〜5%。ビタミンCと一緒に摂ると非ヘム鉄の吸収率が上がる
亜鉛(Zn)
300以上の酵素に関与し、味覚、免疫機能、皮膚の代謝、たんぱく質合成に関わる。
- 推奨量: 成人男性 11mg/日、成人女性 8mg/日
- 耐容上限量: 成人男性 45mg/日、成人女性 35mg/日
- 多い食材: 牡蠣(100gで14.5mg)、牛肉、豚レバー、チーズ
- ポイント: 加工食品に多い食品添加物(フィチン酸、ポリリン酸)が亜鉛の吸収を阻害する。長期の亜鉛不足は味覚の低下につながることがある

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銅(Cu)
鉄の代謝を助け、ヘモグロビンの合成に関与する。活性酸素を除去する酵素(SOD)の構成成分でもある。
- 推奨量: 成人男性 0.9mg/日、成人女性 0.7mg/日
- 多い食材: レバー、牡蠣、ナッツ類、ココア
- ポイント: 亜鉛を長期間大量に摂取すると、銅の吸収が阻害される(亜鉛-銅の拮抗作用)
マンガン(Mn)
骨の形成、糖質・脂質の代謝に関わる酵素の成分。
- 目安量: 成人男性 4.0mg/日、成人女性 3.5mg/日
- 多い食材: 玄米、大豆、くるみ、茶葉
- ポイント: 通常の食事で不足することは稀
ヨウ素(I)
甲状腺ホルモンの材料。基礎代謝の調節に関わる。
- 推奨量: 成人 130μg/日
- 耐容上限量: 3,000μg/日
- 多い食材: 昆布(100gで約200,000μg)、わかめ、のり
- ポイント: 海藻を多く食べる日本人は世界的に見て摂取量が多い。昆布の食べすぎによる過剰摂取に注意が必要な場合もある

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セレン(Se)
抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)の構成成分。ビタミンEと協力して細胞の酸化を防ぐ。
- 推奨量: 成人男性 30μg/日、成人女性 25μg/日
- 耐容上限量: 成人男性 450μg/日、成人女性 350μg/日
- 多い食材: まぐろ、かつお、卵、にんにく
- ポイント: 日本人の摂取量は概ね足りている。サプリメントでの過剰摂取には注意
クロム(Cr)
糖質の代謝に関与し、インスリンの作用を助けるとされる。
- 目安量: 成人 10μg/日
- 多い食材: 海藻、肉類、穀類
- ポイント: 微量で十分。通常の食事で不足することはほぼない
モリブデン(Mo)
プリン体の代謝に関わる酵素の構成成分。尿酸の生成にも関与する。
- 推奨量: 成人男性 30μg/日、成人女性 25μg/日
- 多い食材: 大豆、レバー、穀類
- ポイント: 日本人の食事では十分に摂取できている
コバルト(Co)
ビタミンB12の構成成分。単体での摂取基準は設定されていない。
- ポイント: ビタミンB12を十分に摂取していれば、コバルトも足りている
日本人に不足しがちなミネラル
ミネラル | 不足しやすい層 | 背景 |
|---|---|---|
カルシウム | 全年齢層 | 推奨量に対して平均摂取量が約7割にとどまる |
鉄 | 月経のある女性 | 月経による損失。推奨量10.5mg/日に対し平均摂取量は約7mg/日 |
亜鉛 | 高齢者、加工食品中心の食生活 | 食品添加物が吸収を阻害 |
マグネシウム | 精製穀物中心の食事 | 精製過程でマグネシウムが失われる |

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まとめ
- 体に必要なミネラルは16種類。多量ミネラル7種と微量ミネラル9種に分けられる
- 日本人に不足しがちなのはカルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム
- 逆にナトリウム(食塩)は摂りすぎの傾向
- ミネラル同士にも相互作用がある(亜鉛-銅の拮抗、カルシウム-リンのバランスなど)
- サプリメントで補う場合は、耐容上限量を超えないよう注意
- 体調に不安がある場合は、医師や管理栄養士に相談を
参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- 厚生労働省「国民健康・栄養調査」
- 国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」
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